2015年01月26日

特別区の区民が、自由な住民サービスのために使える財源は、一般の市町村より、ずっと少ない

 大阪都構想の協定書の税源配分・財政調整の部分で、特別区財政調整交付金の決め方は地方交付税の算定方法に概ね準ずる配分を基本とするとしながら、「標準税等の算入率は85%とする」(元データ元サイト 資3-P09)としています。

 つまり、個人市民税などの標準税等の85%は、法律で決まった業務(基準財政需要)に充て、残った15%を、自由に選択した住民サービスのための財源(裁量経費)に充てることができるということです。

 一般の市町村の地方交付税の算定方法では、標準税等の算入率は75%ですから、自由に選択した住民サービスのための財源(裁量経費)の割合は25%。
 この特別区15%、一般の市町村25%の差だけで、大阪都構想の特別区は、自由な住民サービスのための財源(裁量経費)が、4割も少ないことになってしまいます。

 更に、協定書の税源配分・財政調整の部分を読む限り、調整財源にする固定資産税・法人市民税の15%を裁量経費として特別区に配分するとはしていないなど、特別区は一般市町村より、更に自由な住民サービスのための財源(裁量経費)が少なくなるようです。

*******2015年4月16日更新*******
(以下の記事は、「(論点4)大阪市民だけが、市税を割いて余分に府財政を負担する」で、現在の大阪市と特別区になった時の裁量経費の比較が、よりシンプルに整理できたので、そちらに置き換えました。置き換え前の元の記事は、記事末を参照ください)

 特別区設置協議会資料で、特別区の裁量経費(自由な住民サービスの財源額)の試算があった(元データ 元サイト)ので、できるだけ同じ方法で現在の大阪市の試算もしてみました。

05裁量経費試算.jpg
「現在の大阪市」の一般財源額(元データ 元サイト
「現在の大阪市」の基準財政需要額と臨時財政対策債(元データ 元サイト

 現在の大阪市の自由な住民サービスに使える財源額(裁量経費)が2361億円に対し、特別区になった時が1233億円と、ほぼ半減してしまっていることが分かります。
*******2015年4月16日更新 ここまで*******

 地方交付税で調整されない財源を、市町村財源から大阪府へ1634億円も移管しようとする(元データ元サイト パ04-P6)と、その分、特別区の自由な住民サービスのための財源(裁量経費)は、かなり淋しくなってしまいます。

 どうやら、大阪市民が支払った市税のうち、自由な住民サービスのための財源(裁量経費)の「割合」が一般の市町村より少ないなんてことは言わず、(大阪市民が支払う市税が多いから)自由な住民サービスのための財源(裁量経費)の「額」は他市並みだと説明されるようです。
 でも、高い地価で高い固定資産税払ってるのだから、大阪市民が支払った市税に見合う財源を、大阪市民が選んだ住民サービスのために使いたいです。


(追記)
 大阪都構想が実現後も、国は特別区分の地方交付税を、一般の市町村と同じように(標準税等の算入率は75%で)算定し、地方交付税を『大阪府』へ交付します。
 一般の市町村と同じように財源があるはずなのに、特別区の自由な住民サービスのための財源(裁量経費)が少ないのは、特別区の区民(大阪市民)にだけは、府税に加えて、市税でも大阪府の広域行政経費の負担をさせるとして、大阪府が市町村財源の一部(H23年度試算で1634億円)を中抜きするからです。

(追記2)2015.04.16
(以下、2015年4月16日更新前の記事内容です)
 パッケージ案が使用している平成23年度の税額などを使用して、特別区の場合と一般市町村の場合の自由な住民サービスのための財源(裁量経費)に、どの程度の差があるか、ざっくり比較してみます。(こちらの記事の数字を使用。データ元はこちらの記事から辿ってください。)

--------------------------- 計算比較 ---------------------------

個人市民税等(個人市民税、市たばこ税、軽自動車税、税交付金等)2074億円
固定資産税等(法人市民税+固定資産税。ただし法人市民税の超過課税分を除く)3801億円
都市計画税 572億円

(一般の市町村)
裁量経費(市町村や特別区の裁量で使途を決められる財源)
=(個人市民税等2074億円+固定資産税等3801億円)×25%+都市計画税572億円
=2040億円

基準財政需要額+裁量経費2040億円

(大阪都構想の特別区)
裁量経費(市町村や特別区の裁量で使途を決められる財源)
=個人市民税等2074億円×15%+都市計画税313億円(元データ元サイト パ04-P21)
=624億円

「概ね」基準財政需要額+裁量経費624億円

 なお、パッケージ案では、上記の算定方法と直接比較できませんが、特別区の裁量経費は1233億円ある(元データ パ04-P32)としています。

--------------------------- 計算比較 ---------------------------


元記事「大阪都構想協定書(案)の税源配分・財源調整を見てみた」より

2015年4月16日更新分は、元記事「(論点4)大阪市民だけが、市税を割いて余分に府財政を負担する」より

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posted by 結 at 01:58| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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