2015年01月26日

地域別サービスの希望を効率的に実現する方法の提案

 ブログ記事「域内分権のコストと効果は見合うのか」では、
〇特別区や都市内分権(行政区の権限強化)の分権的手法は、コスト発生と効果発生は全然連動しない。(つまり、やり方などによっては、コストばかりかかって、行政選択改善が図れないことも十分にある。)
〇「地域別のサービス選択の希望」の表を与えられて、その実現を行うだけなら、最も効率的に希望通りに実現できるのは、(区長への権限移譲を頑張らない場合の)現行の市役所体制。
・・・ということをみました。

 ただ、現行の市役所体制は、「地域別サービスの希望の把握」や「地域別に異なるサービス提供の意思決定」が苦手です。

 市役所組織が、地域別ニーズの把握や地域別サービスの決定が苦手なら、市長が地域別ニーズの把握や意思決定を行い、実施を市役所組織が行えばいいのですが、市長にはそれ以外の仕事がどっさりあって、機能してないのだと思います。

 公募区長は、言い出した当初は副市長格とされ、各局より上位になるとされていました。(制度上は、現在も副市長格のはずです。)
 ですから、公募区長が地域別ニーズ把握と実施の意思決定という役割を担えても良かったの思うのですが、実際には、そうなってはいないようです。
 その理由としては、
〇区長が、区役所事務の長であるため、本庁と上下関係になりやすく、区域の市政全般を考えるより、区役所事業の充実に終始してしまう。
〇専門スタッフがなく、住民ニーズの妥当性の判断も、本庁部局への提案・交渉も、能力的に難しい。
・・・といったことが考えられます。

 それならば、裏返しとして、市長に代わって「地域別ニーズの把握や実施の意思決定を行う者」の条件が見えてきます。
〇区単位で区民と接し、区域内の市政全般に責任を負う立場にたつ。
〇区役所事務とは、完全に切り離す。(区役所事務の長とはしない)
〇本庁部局へ提案・交渉できる程度の専門スタッフを抱える。
〇特定の所管事務は持たず、区民要望の吸い上げに専念する。

 こういう責任者を「方面担当副市長」として設置するとして、どのように制度設計をすればいいか、少し考えてみます。

〇区長と全く別に、3区程度の担当地域について、市政全般を担当する8名程度の副市長を設置する。

〇方面担当副市長毎に、各局から専門人材の派遣を受け、10〜20人程度のスタッフを抱える。

〇区民の要望を聞き、各局との調整、交渉、政策反映に専念する。

〇2〜3ヶ月に1度、区役所単位で、区民が誰でも参加できる市政報告会を行い、質問・要望を受ける。質問・要望は、できるものはその場で回答するが、無理なものは、次回に報告する。

〇方面担当副市長は、交渉・調整による事務事業への意見反映を主とするが、各局へ意見反映を働き掛けるための権限として「方面担当副市長が指定する任意の決裁について、副市長として決裁権者になることができる」というのがあればよいのかなと思う。(橋下市長が拘る「予算編成権」は不要かと。)

〇人材的には、公選や民間出身者ではなく、職員出身者のイメージ。自身の思いの実現ではなく、区民の意見の吸い上げに徹する調整型人材であることが必須。


 この方法のメリット

〇100人〜200人に人員体制が必要となるが、それでも、地域の声の行政への反映手段として、特別区設置や(ある程度の規模の)都市内分権と比較して、はるかに低コストで、制度移行のコストやトラブルも考え難い。

〇特に都市内分権と比較して、地域の声を反映できる業務範囲を絞る必要は無く、幅広い市政に対して、意見反映が可能。

〇特に特別区と比較して、現行24区の枠組みは、何も変える必要はなく、区長や区役所事業としての取り組みも、現状のまま推進できる。

 デメリット
〇コストとなるのは、人員体制程度。

〇想定通りに機能させられるかが、最大のポイント。そのためには、徹底的な問題点の洗い出しと対策、実施後の見直しが不可欠。


元記事「特別区か、都市内分権かの二択ではなくて」より

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posted by 結 at 04:58| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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