2015年02月02日

大阪都構想の効果額から、関係ない効果額を分けてみた

 効果額内訳付きの長期財政推計の表は、記事「長期財政推計の効果額内訳の整理」を見て頂くとして、まずは「大阪都構想に関係する」「関係しない」の分けかたの考え方。

〇「府市の組織を統合することによる効果額」(または、大阪市を特別区に再編することによる効果額)を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇より狭い解釈では「大阪都構想でなければ、(大阪府・大阪市のままでは)実現できない効果」というのがありますが、ここでは大阪都構想なしで実現できるものでも、府市の組織統合による効果額は、大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇府市の組織統合によるものと、無関係なものがひとつの項目になっていて分けられないものは、原則、項目全体を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
(更に詳しくは記事「長期財政推計の効果額内訳の整理」を参照)

(注意)大阪都構想の効果額は、反対されてる方の間では「1億円」と言われることが多いようです。「大阪都構想でなければ、(大阪府・大阪市のままでは)実現できない効果」として整理した額と思われますが、ここではそれよりも幅広く捉える方法を採ります。

 この考え方で、最終の平成45年度時点の(再編コストを差し引いた)効果額229億円を、大阪都構想に関係する・しないで区分すると、大阪都構想関係80億円、無関係149億円。

 その内訳は次の通り。
(大阪都構想関係)
04H45_都構想関係.jpg

(無関係)
05H45_無関係.jpg


〇大阪都構想が、現在の大阪市の収支不足対策として有効かを見るために、次の表を整理しました。
 「大阪都構想を実施しない場合」とは、大阪都構想と無関係な効果額だけ計上したもの。
 「大阪都構想を実施した場合」とは、関係分・無関係分の両方の効果額を計上したもの。
06特別区当初10年比較.jpg
 大阪都構想と無関係な項目だけで財政シミュレーションを行っても、特別区(=大阪市)の収支不足解消は平成34年度。これは、大阪都構想を実施した場合と同じです。また、効果額など無しでも平成35年度には収支不足は解消します。
 大阪都構想は、現在の大阪市の収支不足対策とは、全く関係ないことが分かります。


〇大阪都構想と関係した効果額だけで見ると、効果額の柱は、特別区側での「職員体制の再編」による効果額67億円です。
04H45_都構想関係.jpg

 都構想関係効果額80億円(うち特別区分63億円)(H45)に対して、特別区の職員体制再編の効果額67億円ですから、これが無くなると、大阪都構想関係効果額は激減します。

 でも、特別区側での「職員体制の再編」による効果額って、「大阪市が一体で行っていた事務を、5つの特別区で分割して実施すると所要人員が減る」というヘンな試算が成立しないと、丸ごとコケます。この辺の議論は、記事「大阪市一体の事務を5つに分割して実施すると、所要人員が減るという試算の背景」を参照ください。


〇広域事務の統合効果が微小過ぎる。
 大阪都構想って「歳出額1兆7千億円の大阪市のうち、広域事務4千億円を府に統合し、基礎自治体業務1兆3千億円部分を5つに分割する」もの(元データ 元サイト)で、統合効果が生み出されるのは「広域事務4千億円を府に統合」の部分のはずなのです。
 でも、効果額の表を見て分かる通り、「広域事務4千億円を府に統合」による統合効果は微小です。
 わたしは大阪都構想の「二重行政の無駄」という主張には否定的ですが、それでも府市の類似事業を統合すれば一定のコスト削減はできると考えます。(つまり、「守口市と門真市の間に二重行政はないが、守口市と門真市が市町村合併すれば、行政コスト削減は見込める」というのと似た意味です。勿論、「コスト削減できるか」と「市町村合併すべきか」は直結しません。)

 二重行政否定のわたしから見ても小さ過ぎる「広域事務4千億円を府に統合による効果額」は、実は協定書が想定する大阪都構想案が、本来の類似事業の統合効果の捻出にも失敗した失敗作だと理解しています。この点についての議論は記事「(補1)大阪都構想の統合効果が悲し過ぎる」を参照ください。


 まとめです。
 大阪都構想の効果額は2013年の夏には、年間1千億円とか宣伝されましたが、大阪都構想実現で今後、実際に出てくる財源は再編コストを差し引くと年間229億円。しかも、そのうち149億円は大阪都構想と無関係な効果額で、大阪都構想と関係した効果額は年間80億円、実現は20年後です。第1回府市統合本部会議で打ち出された、年間4千億円の統合効果と比較すると、何ともしょぼくなりました。

(追記)2015.02.11
 上記記事の「都構想関係の効果額」と「無関係の効果額」の合計額が把握し難かったので、集計表を追加しておきます。
 一番シンプルな合計額は、AB項目等168億円、職員体制105億円、合計効果額273億円。再編コスト44億円で、差引効果額229億円。

07集計.jpg

(追記)2015.02.26
 上記記事の「都構想関係の効果額」を、府市統合関係と特別区分割関係に区分した表を追加しておきます。

08効果額の区分.jpg

092効果額分類の集計表02.jpg


元記事「大阪都構想財政シミュレーション(その2) 関係ない効果額を分けてみた」より

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posted by 結 at 07:49| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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