2015年02月21日

「大阪市の市税が、大阪市民だけのものではない」というヘンな話

 藤井聡教授の「大阪都構想で、2200億円の大阪市民の税金が市外に流出」という主張に対して、維新の府議さんが「大阪市内で集められた税金が、大阪市のためだけに使われるのが正しいとする書き方は大間違い」「大阪市内で生み出される経済は、大阪市民の力だけでなく、大阪市以外の人(市外から働きに来たり、消費を行うなどの経済活動)によっても支えられている」と主張されていました。

 「大阪市の市税が、大阪市民だけのものではない」という議論は、橋下氏や維新の議員さんが時々言い出される話です。
 でも、「ちょっとおかしいよ」というのは、以前のブログ記事「『大阪市の税収は、大阪市だけのものではない』と橋下知事は語る」(2011年1月)に書いたのですが、その要点だけ、まとめます。

 「大阪市の市税が、大阪市民だけのものではない」という主張には、すり替えがあると思っています。
 「大阪市内で発生する税が全部、大阪市(民)だけのものではない」というのなら、その通りだと思います。
 でも、大阪市内で発生する税は、地方税に限っても大阪市が独占してる訳でなく、大阪府、大阪市や大阪市内に働きにきている人の府県・市町村に、分配されるように税制度は作られています。

 「大阪市の市税が、大阪市民だけのものではない」という主張は、大阪市内で発生する税のうち大阪市に分配された市税を、大阪市内で発生する税の全部であるかのようにすり替えて、大阪市(民)だけのものじゃないと言っている訳です。

 では、大阪市内で発生する税が、どのように配分されているか、大阪府税、大阪市税に限って、見てみましょう。

 大阪市が発表しているところ(元データ 元サイト)では、平成20年度大阪市域内からの税収で、大阪府税は7550億円、大阪市税は6708億円です。
 これを基に、大阪府内の府税と市町村税の税収を、大阪市内と大阪市外に分けて整理すると、次のようになります。
大阪市域内 市税47% 府税53%
大阪市以外 市税64% 府税36%

 同じ法律に当てはめると、こういう割合になるというだけなので、この割合だけで、大阪市(民)が不利な扱いを受けているとは言えません。(都市的税目の税収が多いと、市税より府税が厚くなるよう、税制度が作られているのでしょう)
 でも、大阪市域内の税収から、大阪市だけが取り過ぎだとは言えないと思います。

 「大阪市の市税が、大阪市民だけのものではない」というのは、大阪市域内からの税収(大阪府税7550億円、大阪市税6708億円)のうち、大阪市税6708億円だけ取り出して、もう一度配分し直して、大阪全体のために使われる(=大阪府政に充てる)のは正当なことだと言っているのですが、そうなのでしょうか?

 わたしは、大阪市域内の税のうちの、大阪市民の単位で使いみちを決める「市税」に配分された分にまで、なぜ「大阪市民だけのものではない」と言われなければないらないのか、理解ができません。府税は府税で、支払ってるじゃないですか。


元記事「『大阪市の税収は、大阪市だけのものではない』と橋下知事は語る」より

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posted by 結 at 04:08| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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