2010年09月01日

このブログのこと

 このブログは、「橋下知事の大阪都構想をきちんと考える」のまとめサイトです。

 親ブログの「橋下知事の大阪都構想をきちんと考える」で、大阪都構想について色々な記事を書いてきました。
 ただ、記事数が70を超え、初めてブログに来ていただいた方に「大阪都構想って何なの?」とか、「大阪都構想のメリット・デメリットって?」といったことを、コンパクトに読んでいただくことが難しくなってきました。

 また、「大阪都構想」として、説明される内容も、この数ヶ月で、新たな説明があったり、どんどん変わっていたりして、その時々に分かることを前提とした議論が、数ヶ月経つと、微妙にずれていたりしますが、過去の記事を、新たな説明に合わせて、メンテナンスし続けることも、できません。

 このブログは、「大阪都構想とは?」とか、「大阪都構想のメリット・デメリットは?」など、話題を絞り込み、コンパクトに読めるようにすると共に、できるだけ、最新の状況を反映できるようにしたいと考えています。
 そのため、予定の項目をアップしたら、それ以上、新規の記事は、あまり書かない予定です。

 親ブログの「橋下知事の大阪都構想をきちんと考える」では、もう少し幅広く、大阪都構想の話題を取り上げていますので、もしよろしければ、そちらもどうぞです。

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posted by 結 at 13:56| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大阪都構想とは

 大阪都構想とは、次のようなことです。

○大阪府を、大阪市及び周辺10市(堺市、豊中市、吹田市、守口市、八尾市、松原市、大東市、門真市、摂津市、東大阪市)と再編し、大阪都にしようとするものとして、当初示されました。
 ただし、その後、大阪維新の会のマニフェストでは、大阪府を大阪市、堺市と再編するもののようです。

○大阪市・堺市を廃止し、大阪都(都庁)の下に置くとしています。
 この際、30万人程度を基準に、大阪市は8〜9特別区に、堺市は3特別区に分割するとしていました。

 ただし、大阪維新の会のマニフェストでは、いくつの特別区に分割をするのか、記載がなくなりました。

○都庁と特別区の役割分担としては、都庁は広域行政(一般に府県の業務)を担当し、都区は基礎自治体業務(一般に市町村の業務)を担当します。
 ただし、大阪維新の会のマニフェストでは、特別区は(府県の業務の一部を担当することで)一般の市町村より幅広い中核市程度の業務を担当するともされています。
 なお、東京都では、大都市事務として、消防、下水道など一般的に市の業務とされるものの一部を、都が担当していますが、大阪都構想では、都庁は国民健康保険、介護保険、生活保護を担当するとはしています。

○特別区は、選挙で選ばれた区長と区議会を置き、独自に条例の制定や執行を行う、極めて「市」に近いものです。(現在の区は、市という自治体の中で便宜的に区切っただけのもの=行政区なので、ひとつの自治体に近い特別区とは全く別のものです。)

○都庁と特別区の関係で、一般の府と市の関係と異なるのは、都区域の市税の一部(または全部)と地方交付税を、都庁が徴収し、その一部を特別区へ配分することです。(配分しなかった分は、都庁の収入となります。)
 都道府県が市税を徴収し、特別区などへ配分する「都税制度」は、現在、東京都でのみ行われています。理由としては、東京都が市の業務の一部を担当するからとされています。
 大阪都構想では、導入の根拠は特別区間の財源調整だとし、市税の6割程度になる調整財源から4割程度を都庁の収入にするのは、大阪市・堺市から一部の業務(大阪市の場合、一般財源ベースで5%程度)を引き継ぐからだとしています。

 いずれにしても、都税制度にしろ、地方交付税にしろ、特別区が財源の主要な部分を都庁から配分を受けるということは、特別区は、一般の市より、強く都庁に依存することになります。


 また、大阪都構想について、橋下知事から、次のような発言もありました。
○都区について、当面は、大阪市、堺市のみを対象とし、それ以外の市は、次のステップとして考える。

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posted by 結 at 14:33| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大阪都構想の目的

 大阪都構想の目的のひとつとしては、広域行政権限の一元化があります。
 大阪府下では、大阪市と堺市は、一般の市より規模が大きいこともあり、政令指定市という府県の権限の一部も持つ特別な市となっています。そのため、大阪府は、広域行政を行う場合、(大阪市、堺市と調整をしないと)大阪府だけで決めることができない場面が、多々起こってくることになります。
 こういった点を解消するためにも、大阪府下の広域行政権限を都庁に一元化して、「大阪」の指揮官をひとりにし、大阪府・大阪市の財力をひとつに結集して、「大阪」を世界の都市と対等に渡り合える都市にするといったことのようです。

 また、次のようなことも主張されています。
 大阪市の260万人という規模は、大き過ぎて基礎自治体とはいえない。30万人という適正規模に分割し、(都区の)区民が選んだ(都区の)区長(=市長)と、区議会(=市議会)によって、市民が自ら選んだ行政や予算の使い道を決められるようにするということも、おっしゃっています。
 (「大阪」の指揮官をひとりにするため、有力な自治体を分解して潰したいだけ、という意見もあります。)

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posted by 結 at 15:25| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月08日

大阪都構想のメリット

 立場でいろいろ変わるので、大阪市民のわたしの立場でとします。
 都区域がどうなるかは、様々な発言がありますが、大阪市・堺市のみが都区域を前提とします。

○府県が行う広域行政は、現在、その一部を大阪市、堺市も政令指定都市として分担していますが、大阪都構想が実現すると、大阪都が一元的に行うことで、全体として明確な方向性をもって、実行することができる。(別の言い方をすると、大阪府が、大阪市・堺市が関係する広域行政を行う際、大阪市・堺市との調整が不要になる。)

○都庁は、今までの大阪府の予算に加えて、大阪市など都区域の市税の一部を財源に投入できるので、強力に大阪都の広域行政を進めることができる。

○大阪府と大阪市が、それぞれ広域行政を行うことで無駄が発生していた部分を、大阪都が一元的に行うことで、解消することができる。(二重行政の無駄の解消)
 ただ、わたしは、項目として、たくさんの二重行政の無駄が指摘されるのは分かりますが、大阪都になって、実際にどれだけの予算を節減し、他の目的に振り向けられるのか(量的効果)は、疑問に感じています。

○上記により、都庁が大阪府下全体のグランドデザインを行い、主に大阪市の予算を合理化した財源(マニフェストでは、大阪市の予算1兆5000億円から年間4500億円を捻出するとしています。)を、高速道路建設や鉄道建設に投入することで、大阪都構想は究極の成長戦略だと主張しています。(ただし、大阪都構想が成長戦略に繋がるかは、大阪府の有識者による研究会でも、疑問が提示されています。)

○大阪市について、260万人に1人の市長だったのが、特別区となり、30万人に1人の特別区の長(=市長)となるので、市民に身近な市長となる。その結果、現状のような役所に押し付けられた行政ではなく、市民自身が選んだ市長により、市民自身が選んだ行政、予算執行を行うことができる。
・・・と、橋下知事は説明するのですが、市民のひとりとして、大阪市が30万人の特別区に分割されることを、全くメリットとは感じません。
大阪市内で8人の市長(=都区の長)を選ぶ選挙に一番近い選挙って調べてみると、大阪市内で5.5人を選ぶ衆議院選挙の選挙区でした。
今までと全く違った、「素晴らしい、この人なら!」と思えるような候補者が、必ず出てくるなんて期待できませんし、誰もいなければ、わたしが誰か見つけてやるという規模でもありません。大阪市長選よりも、数が増えただけ小粒になった候補者から、「よく知らないんだけど。」と言いながら投票してるだけ、という状況を想像してしまいます。
それに何より、区役所の職員さんは、今までの大阪市の職員さんと全く同じ人たちなんですよ。

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posted by 結 at 02:24| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大阪都構想のデメリット

 立場でいろいろ変わるので、大阪市民のわたしの立場でとします。
 都区域がどうなるかは、様々な発言がありますが、大阪市を8特別区、堺市を3特別区、その他の市は参加しないを前提とします。

○大阪都になっても、大阪都は、大阪市役所でしていた業務のうち、市民に身近な行政の部分は、引き継ぎません。こういった仕事は、8つの都区で、それぞれに行うことになります。(つまり、八重行政。)
 都区に引き継がれるような業務で、現在、大阪市役所の中でしていることって、どんな仕事があるのか聞いてみると、予算のような「権力」といったものもありますが、そうでない仕事も沢山あるようです。
 例えば、法律が変わるたびに、条例や規則の変更をしたり、事務マニュアルをどうするか考えて、変更したりといったことがあるそうです。それから、申請書などの用紙の内容をどうするかとか、パンフレットの内容をどうするかとかを考えて、印刷したりとか。
 そして、結構、手間もお金も掛かるのが、電算システムの開発、毎日の運用、法律が変わった時のプログラム修正などだとか。研修や広報とかもありますね。
 例えてみると、コンビニ店のチェーン本部と各店舗の関係が近いのかもしれません。
 いままで市役所がしていたチェーン本部のような役割を、区役所で行う住民票、外国人登録、戸籍管理、国民健康保険などなどの業務ごとに、8つの特別区で、それぞれ行うとなったら、かなりのコスト増になりそうです。

○そもそも、特別区に引き継がれる業務って、コンビニチェーンに例えたように、区役所だけでやってる訳じゃなくて、市役所と区役所が役割分担をしながら一体で業務をしてるので、ばっさり業務やってる組織を8分割して、今の業務レベル・業務効率が維持できるなんて思えないのです。(業務がストップしなければ、セーフくらいに思います。)
大阪市議会で、計算センターが8特別区+1(都区へ移行しない事務分)必要になるがどうするのかという問いに、維新の会の議員さんの回答はなかったと聞きます。(正確には、9特別区を前提に行政システムが9+1セット必要という指摘)

○身近な行政のための市税を大阪都が徴収して、特別区へ配分する都税制度は、大阪市民にとって、3つの問題があります。

 ひとつ目として、都税制度は、大阪都(=大阪府)に広域行政が一元化されても、大阪市民は、今まで通り、市税からも広域行政経費を負担するための制度です。
 大阪市民だって、ちゃんと府税は払ってます。
 今までは、大阪市民のための行政を行うためには、この方がいいんだと、何か誤魔化された気分になりつつも、頷いていましたが、大阪都に一元化されて、大阪府全体の広域行政になるのなら、大阪市民が、府税で広域行政経費を払った上に、身近な行政を行うための市税から、重ねて、広域行政経費を負担する理由などないでしょう。
 さらに言うと、大阪維新の会の資料を見ながら算定すると、大阪市の業務のうち都へ移管されるのは、一般財源ベースで330億円。財源の移転は2436億円。全く釣り合ってなかったりします。

 ふたつ目として、都税制度は、市税から広域行政の経費を徴収するために、身近な行政のための市税の主な部分を大阪都の収入にしてしまう制度です。
 なぜ大阪市民は、身近な行政のための市税の主な部分を、(それを使うべき)都区にではなく、大阪都に預け、そこから配分してもらった予算だけで、身近な行政を賄わなければならないのでしょうか。
 自分たちが払った税金の使い方を、自分たちで決められない制度は、基本的な誤りがあると思います。

 マニフェストでは、大阪市の区役所が持つわずかな予算ではなく、特別区は中核市並みに概ね1000億円規模の予算が想定されているようです。
 ただ、平成20年度の大阪市の歳出額は1兆5500億円億円で1区平均650億円。特別区を3区相当規模として1950億円。都へ移管される業務分を100億円程度として差し引いたとして、現在の大阪市では1850億円程度の予算が投入されていることになり、特別区の予算規模とされる1000億円規模との乖離は大きいです。

 ちなみに、削減が期待される人件費ですが、大阪市の人件費は2565億円。8特別区に単純に分割すると、約320億円。1850億円から1000億円への削減には、人件費を何割か削減しても焼け石に水のようです。

○旧大阪市の都区では、収入が減るのに、コスト増になるわけですから、身近な行政は、相当削りこむことになりそうです。住民票や選挙など、削りようのない仕事も多いですから、それ以外の削れそうな行政サービスが削られる割合は、より大きくなります。(大阪維新の会マニフェストでは、大阪市の無駄を削減することで行政サービスは維持を謳っていますが、削減できない公債費(借金の返済です。)と削減しても財源となりにくい生活保護費(支出の95%が国庫支出金や地方交付税で賄われているので、保護対象者を絞っても削減額の5%としか財源になりません。)を除くと、1兆円強の予算から4500億円を捻出する予定になります。「予算半減させるけど、行政サービスは大丈夫!」というのは、わたしは鵜呑みにできないと感じます。)

○大阪市は、大阪市独自の行政サービスってやってます。敬老パスや新婚家賃補助などが、代表例です。上山信一著「大阪維新」では、ゴミを各戸に回収に行くことが挙げられています。このように、他の自治体が一般的に行っていない行政サービスは、「過剰サービス」と呼ぶらしく、こういったサービスを削減しても、「大阪市が他都市より無駄に予算と人を費やしている分を削るだけで、行政サービスに影響はない。」そうです。そして、削った予算は(大阪市民からも府税をとってるはずなのに)都庁の予算にするそうです。
わたしは、他の自治体がやってなくても、やって欲しい行政サービスはあるし、もし削るなら、浮かせた予算で身近な行政をもっと充実させて欲しいと思っています。身近な行政でやって欲しいことなんて、尽きることなどないのですから。

○大阪市が8つの特別区になっても、市の業務で8つに分割するのが難しそうな業務って、いろいろあります。下水道、消防、ゴミ処理、、地下鉄、市バスなどなどです。(東京都では、都庁が行いますが、大阪都では区の業務のようです。)
 民営化という話もあるようですが、その場合でも区が業務委託をするわけで、運営は区役所がどのように関与するのかなど、ゴミ処理や市バスなどひとつを取り上げても、市民に重大な影響を与えるものになりそうです。(どうなるのか、さっぱり分からないのですが、「まあいいでしょう。」ともいえない話なので、困ったものです。)

○行政システムの開発・運用・保守など、8つの特別区がそれぞれすると非効率でコスト高な事業・事務は、8つの都区が共同事業で行う可能性が高そうです。
 でも、大阪都構想は、大阪府と大阪市の2団体の意見調整をするのが非効率なので、意思決定の一本化を目指していたはずです。それなのに、元々ひとつの市でしていた事業が、8つの都区の共同事業になり、一元化されていた意思決定を8都区での協議へと移行を強いるのは、矛盾です。
 事業改善が進みにくくなったり、市民に対して誰が責任を負うか不明確になったり、いろいろ問題はありそうです。

 また、行政システムって共通にすると、業務のやり方とか業務と関連して提供できるサービスとか、かなり決まっちゃいます。例えば、夜間開庁とか、コンビニ収納とか、特別区で考えた行政サービスをしようとすると、「それは行政システムが対応しないので(8特別区の足並みが揃わないと)できません。」という事例が、色々と出そうです。

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posted by 結 at 03:25| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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